解析よもやま話 【第27回:材料の破断と要素サイズ】

解析よもやま話 【第27回:材料の破断と要素サイズ】

今回は、新たに執筆者に加わったアルテアの風雲児、福岡(名古屋在籍、好きな自社製品はHyperStudy)が執筆を担当します。

MultiScale Designer の担当になってからというもの、材料の破断というものを非常に良く考えるようになりました。そして考えれば考えるほど、要素サイズへの依存性が強いということを理解してきました。今回はそのお話です。

もしかしたら皆さんは、材料特性が要素サイズで変わるなんておかしいと言うかもしれません。また、もしかしたら、そんなの昔から分かってるから、要素サイズ 2mm、5mm、10mm ごとに材料カードを用意しているよ、と言う皆さまもいるかもしれません。実はこれはどちらも正しいのです。ヤング率、ポアソン比、応力とひずみの非線形の関係式、こういったものは、とことん大きさの概念を取り除いてあります。ヤング率は、2倍に引っ張って延ばすのに必要な面積あたりの力、ポアソン比は、縦に引っ張ったときに横に縮む割合を難しい式にしたもの、ひずみとは長さの変化率と言った具合です。ですので、これらは要素サイズで違うなんてことはありません。

一方で、材料の破断となるとどうでしょうか?材料の破断とは FEM 的に言えば、要素を削除する、または XFEM で2つに割るような感じにごにょごにょするということです。たとえば、「塑性ひずみ 0.1 のときにシェル要素を削除する」、という破断の基準が要素サイズに依存するかどうか、論理的に考えて見ましょう。この条件は言い換えれば 「塑性ひずみ 0.1 のときに、要素の面積分の穴を開ける」 ということになります。要素の面積は要素サイズに思いっきり依存してしまってますね。

物理的にも考えて見ましょう(図1)。2mm のシェル要素で塑性ひずみ 0.1 というのは、その辺りは平均的に 0.1 だということですから、細かく見ていくと、もっと高いところもあるわけです。もっともっと細かくしていけばもっともっと高いところが見つかるわけです。大きくしていけば、逆にどんどん応力は小さくなっていきます。同じ塑性ひずみで要素を削除してしまうと、細かい要素サイズではすぐ破断してしまい、大きな要素サイズではなかなか破断しなくなります。もし、材料試験どおりの塑性ひずみで破断させてるのに、なかなか破断しない、またはすぐに破断してしまう、と言う場合はこの疑いがあるでしょう。

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